生命の設計書

6月も半ばを過ぎましたが、熊本はなかなか入梅をしませんね。

江津湖畔では紫陽花は見ごろを過ぎ、バトンタッチするように初夏の花が美しい色彩を輝かせています。


我が家の庭も、無作為に花を植え続けるうちにジャングルのようになってしまいました。

去年植えた球根が、季節を間違えてひょっこり花を咲かせてくれ、思わずほっこり。

なぜか、コスモスまで張り切って咲いてくれてます。


晴天の続く6月、虫たちは巣作りに必死です。

自分よりも何倍も大きな獲物を懸命に運ぶ蟻たちや、

レース編みのような美しい蜘蛛の巣の上でじっと獲物を待つ蜘蛛、

正確な六角形の巣を無心に作っている蜂を見ていると、

彼らの中に「種の保存」というDNAからの指令と共に「生命の設計書」を持っているのだろうな、と目が離せなくなります。


ところで、このところ心が痛むような事件、事故が多いですね。

私は普段テレビを見ませんので映像では入ってきませんが、新聞やネットの文章だけで十二分に胸が苦しくなります。

日本全国、テレビで連日映像を浴びている方々は、どれだけ心にストレスを負われているかと心配になります。


そんな時に思い出すのが、加古里子(かこさとし)さんが書いた子供向けの科学書「人間」の中にある、「生命(せいめい)の設計書」という表現です。


彼の、人間という存在への愛にあふれた、感動的な文章をそのままご紹介させて下さい。


『人間』 加古里子 ぶん/え より最終章

 

「あなたが、そして君も、人間です」

人間が親からさずけられた「生命の設計書」には40億年の生物の歴史と先祖のとくちょうがきざまれています。

そこには、生物が経験した世界とともに、さらにこれからの変化や発展する余地もが、ちゃんとたくわえられています。

また、赤ちゃんがお母さんのおなかのなかで浮かんでいた水や、血液や細胞の水分は、大むかし、生命が生まれた海水の塩分のわりあいとふかくかかわっていて、それをたもつよう、からだのしくみがはたらいています。

これは人間が海で生まれた生き物の子孫であり、からだのなかに海をたたえ、海を母とする地球の生物であることをあらわしています。

さらに、人間の脳は、その細胞と神経のつながりやいとなみのなかに、世界中のだいじなできごとや知識の数万年分をたくわえることができる星座をもち、美しいこれからの人間のあつまりやそのしくみをかんがえる力をもっています。

ですから、人間の脳は、そのはたらきのなかに、現在の宇宙と未来の世界をおさめているといえるでしょう。

このように、その細胞や脳やからだや心に、宇宙・世界・地球の歴史と現在と未来をやどしているのが人間です。

その人間のひとりがあなたです。

そのすばらしい人間が、君なのです。


加古里子さんは、昨年の5月に92歳に亡くなる直前まで、子どものための科学の本の制作をされていたそうです。


苦しみの中にある時、痛みや悲しみの中にある時。

私たちが、自分の中の「生命の設計書」を信じて、人間の未来は美しいのだと信じて、強く生きぬくことができますように。

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江津湖ほど近くにある アットホームな自宅ヨガスタジオです