2023年9月のメッセージ


9月、長月を迎えました。


今年の夏は、数字で見ても、体感的にも、とくべつに暑く感じる夏でしたが、どのような日々をお過ごしでしたか?


まだまだ残暑の厳しい毎日ですが、ふとした風に秋の匂いを感じたり、空に浮かぶうろこ雲を遠く感じたり、ゆっくりと季節は移ろいでいます。


江津湖周辺も、夜になると秋の虫の鳴く音が涼やかに響いて、なんともセンチメンタルな気持ちになります。


秋は、空気も心も透明度を増していくような、そんな季節ですね。



これから迎える秋は、冷えと乾燥の季節といわれています。


日照時間が短く、昼と夜の寒暖差が大きくなることから自律神経が乱れやすくなり、気持ちが落ち込んだり、心が揺れ動くこともあるかもしれません。


数か月後に迎える冬に軟着陸するためにも、夏の疲れを溜めたままにせず、それぞれの方法で心や体を休め、回復させる時間が持てたらいいですね。


アーユルヴェーダでは、調理したての料理を温かい状態で食べることがよいとされていて、作り置きはすすめられていません。

調理した食べ物は時間の経過とともにアーマ(毒素)が増えると考えられているからです。


以前、私が訪れたインドでも、国民食であるカレーを日本のように何度も煮返して食べるということはなく、毎食新たに作っていました。

そして、実にゆっくりと時間をかけて、おしゃべりを楽しみながら料理をする姿がとても印象的でした。


とはいえ、今の日本を生きる私たちには生活がありますので、適度に工夫しつつ、体調が悪い時や疲れている時は、ファーストフードや袋菓子、工場からやってくるお弁当などは避けて、簡単でも調理したての温かい食事を頂くと整うかもしれません。


ヨガのレッスンでは、動き回るマインドを鎮めるような、穏やかなヨガを行っていきます。

関節痛や頭痛など神経系に痛みが出やすい季節でもありますので、ゆっくり関節をほぐしていきましょう。

また、静かに瞑想を行うことで夏の興奮をクールダウンしていきます。


自分の内側にゆっくりとくつろげるような、そんな時間をご一緒できたら嬉しです。




8月は、それこそ走馬灯のように行ってしまいました。


みなさんはどのような1か月をお過ごしでしたか?


8月はヨガレッスンも参加者が少なめでしたが、実家に帰省されたり、家族や友人を迎え入れたり、旅行に行かれたり、お祭りやイベントに参加されたり、やっと以前のような夏が戻ってきて、それぞれにお忙しそうで、あぁ、良かったな…と思いました。


4年ぶりに開催された江津湖花火大会は、お天気にも恵まれ、14万人超の人出ということで、それはそれは盛大でした。


江津湖という場所が、熊本にとってかけがえのない癒しと憩いの場所であることを再認識するような、素晴らしい花火大会で、まさに感無量。



さて、年を重ねて暑さにめっぽう弱くなってしまった私は、7月の末ごろには暑さに白旗を上げ、この夏は何も考えずにのんびりと過ごそうと思っていました。


が、思いがけず、家族や友人たちと幸せな時間を過ごす機会に恵まれた、楽しい思い出がいっぱいの8月となりました。

いや…、本当に楽しかった。



この夏感じたことは、まずは本格的にコロナ渦による行動制限が終了したこと、そして私の約8年間におよぶ産後クライシスが終わった、ということです。

これまでの夏は、どこに行くにも子供ファーストで、自分が楽しむという余裕は皆無でしたが、小学校2年生になった息子はそれなりに自立し、多少放っておいても命に別状はあるまい、というところまで(なんとか)育ちました。


8月の終わりに、ウォータースライダーや流れるプールのあるレジャー施設に息子とその友人を連れて行ったのですが、2人はあっという間に走り出して見えなくなり、プールに飛び込んで大はしゃぎ。


私はなんとなく2人が見える椅子に座ってオヤツつまみながらぼんやーり。
空の青さと子供たちの歓声がぐっと胸に迫ってきて、なんだか解放されたような、許されたような、すがすがしい思いが胸いっぱいに広がったのを感じました。

その時にはっきりと「私の産後クライシス(危機)は終わったんだな。」と自覚しました。


もちろん、これからも子育てはエンドレスで続くわけですが、我が子の命を決死の覚悟で守らなければならい時期は終焉したのです。



そしてもうひとつ、この夏は「ヨガと距離をとってみる。」という実践をやんわりやってみました。


距離を取る、なんてなんだか倦怠期の夫婦や恋人同士みたいですが…。


私は自宅でヨガ教室をしていますので、仕事とプライベートの区別をつけることが難しく、趣味もヨガ、仕事もヨガ、体調管理もヨガ、読む本もヨガ、SNSもヨガ、付き合う人もヨガ関係、ということで、気づくと頭の中も生活もヨガでいっぱいになってしまいます。

でも、大好きなものほど、距離感大事。


何事もほどほどが、長く続けるコツ(なはず)。


普段は、ほぼ毎日ヨガのプラクティス+レッスンをしていますが、お盆をはさんで10日間ほど、レッスンもお休みで一度もマットを出しませんでした。そして、8月はヨガの経典を一度も開きませんでした。


その代わりに家族と過ごしたり、友達と会ったり、読みたい本を図書館から借りてきて読んだり。


(稲垣えみ子さん、目からうろこで一気に読了)

この「ヨガとの距離を取る実践」が、とてもよかったですね。


取り立てて特別な何かをしたわけではないのですが、とてもよい気分転換になったのと、自分の中に余白を作ってあげることができました。


私は普段のレッスンの中で、

「自分にとってちょうどいいを探してくださいね。」とお声がけするのですが、

これは、ヨガの経典『ヨガ・スートラ』に出てくる有名な一節で、


”アーサナ(坐法)は、快適で安定したものでなければならない。”(2章46節)


というものがあり、ヨガとは無理をしたり自分を追い詰めたりするものではなくて、今日この瞬間の自分にとっての快適さや安定を探すことが目的なのだよ、という解釈からきています。


そんな風にお伝えしながらも、私は「自分にとってのちょうどいい」はなかなか見つけることができなかった。


隙間があれば、意地でも何かを詰め込みたくなる性格。


この夏に、あえて人生の大きな部分を占めるものの優先順位を下げることで、自分の中にあるちょっとした余白や、身近にある楽しみ、ささやかな嬉しさ、ユーモア、新たな価値観、などと出会い直すことができたような気がします。


もう詰め込まない。

頭の中も、時間も、持ち物も、そして人間関係も。


できるかな?どうかな?


9月に入り、また日常生活に戻りましたが、この夏に体験した「余白のある自分の感覚」を忘れないでいたいな、と思っています。



さて、秋はイベントシーズン。

まだまだ、お楽しみは続きますね。


aozora yoga kumamotoでは、9月28日(木)にYOGA座学会、10月1日(日)には江津湖早朝ヨガを開催します。


どちらもお申込み受付中ですので、ぜひご参加ください。


YOGA座学会では、『ヨガ・スートラ』の中から、実生活に深く根付いた10のルールについて、参加者の実体験や思いをシェアし合いながら考えていきます。


この10のルールの中で特に有名なのは”アヒムサー(非暴力)”です。インド独立の父といわれるマハトマ・ガンディーはこのアヒムサーを人生をかけて追及し続けた人です。

あなたにとってのアヒムサー(非暴力)とは?

経典を読み、話し合いを通して互いの考え方を共有していけたらと思います。


江津湖早朝ヨガはありがたいことにいつもたくさんの方にご参加いただいております。

定員がありますので、ご希望の方はどうぞお早めに申し込みください。




ラジオから流れてくるのは、夏の終わりの歌から秋の歌へ。


ちょっと切なくなるのは、そんな選曲のせいでしょうか。


これからの季節は、少しスローダウンして、自分の好きなこと、やすらぐこと、ほっとすることにつながって、心と体をほどよく調和できたらいいですね。


心がソワソワする時は、甘いお菓子と温かいお茶で自分をねぎらってあげることも。


まだまだ暑さは続きますので、どうぞご無理なさらずにゆっくりお過ごしください。


移ろう季節の美しさに、心が洗われるような、そんな素敵な9月になりますように。


aozora yoga kumamoto

江津湖ほど近くにある アットホームな自宅ヨガスタジオ