12月、2025年最後の月を迎えました。
それぞれの場所で、お元気でお過ごしでしょうか?
熊本にも、ゆっくりと冬の足音が聞こえてきました。
江津湖は年間を通して水温が一定のため、冷え込んだ朝には湖面にゆらゆらと水蒸気が上がり、とても幻想的です。
先日、のどかな里山をドライブする機会がありましたが、家々の軒先に干し柿がつるされ、晩秋の太陽にキラキラと輝いて、思わず見とれてしまいました。
みなさまのお住まいの地域には、どのような季節の風景が広がっていますか?
アーユルヴェーダでは、冬の入り口から『カファ』と呼ばれる質が優位になると考えられています。
『カファ』は冷たく、重さがあり、命を育む土台となるエネルギー。
執着をうみ、物を溜めこむ性質があります。
身体への現れとしては、体の冷え、むくみ、眠気、消化機能の低下、呼吸器系の不調など。
心への現れとしては、無気力や意欲の低下、執着心などがあります。
朝なかなかお布団から出られなかったり、お腹のあたりに重たい感覚があったり、いつも手足が冷たいなど、心当たりのある症状がいくつかあるのではないでしょうか。
この時期のおすすめは、早寝早起きと、できるだけ毎日体を動かすこと。
特に、朝食前の軽いストレッチやラジオ体操などは、心地の良い一日のスタートを後押ししてくれます。
お部屋の整理やお掃除も、溜めこむ性質であるカファを和らげる効果があります。
身体を健やかに保ち、自分や家族が過ごす空間を整えて、心地よくエネルギーを廻らせていきましょう。
12月のスタジオレッスンは、ほどよく達成感を感じるくらいの、やや陽の内容で行っていきます。
感覚器官を休ませるために、瞑想や呼吸法も長めに行います。
また、年末恒例の『太陽礼拝』で血行を促し老廃物を出しやすくして、体の大掃除をしていきましょう。
そして、すでにお知らせしていますが、12月をもちまして『産後ヨガ』のクラスを終了させていただくこととなりました。
さまざまな思いがよぎりますが、たくさん考えて決断いたしました。
ラスト12月の2クラス、大好きなみなさまと小さな子供たちと、和やかなヨガ時間をご一緒したいと思います。
年末年始は、学校の冬休みに合わせて長めにお休みを頂きます。
ご了承いただけますよう、お願い致します。
みなさまは今年一年、どのようなことがありましたか?
あっという間であったような、それでもそれなりに色々なことがあったような。
レッスンを通して、たくさんのお話を聞かせて頂いていますが、一人一人にいくつもの物語があるのだと想像します。
私にとっての2025年は、自然にスローダウンしていった、そんな一年でした。
これまでの私は、どちらかというと陽のエネルギー過多で、燃え尽きるまで走り切ることを美徳として生きてきました。
昨年に50歳を過ぎて1年が経ち、体の変化に心が寄り添うように、これからはより自分の内側を旅するようなフェーズに入ってきているのかな、と感じることが増えてきています。
今までの私は、社会における自分の存在価値や立ち位置、尺度で計ることのできる能力やスキル、などが価値あるものだと思っていました。
おそらく、自分の感覚と外界と比較することで、『わたし』という輪郭(フォルム)を確認しようとしていた。
それは、生まれ持った能力や今世における役割を外在化するために、とても大切な過程だったと思います。
今年閉経を迎え、「生殖機能」としての役割を終えたことで、第二次性徴期以前の、まだ私の中に性差の意識がほとんどなかったころの感覚が蘇ってきました。
あるがままに、自然とつながっていたころの私。
外界と内界の境目が、とてもあいまいだったころの私。
誰かに選んでもらうために、何かの型に自分を押し込めることは、もうしなくてもよいのかもしれません。
今年は、大学の同窓会に行けたこと、万博に行けたこと、たくさんキャンプに行ったこと、バレエの公演を観に行けたこと、たくさんやりたかったことが叶いました。
今、手の中にあるものを大切にしながら、これからもできるだけ美しいものに触れていきたいと思います。
みなさんは、今年一年、どのようなことを思いながら過ごしていましたか?
どのような、外側の、内側の体験がありましたか?
ぜひ、聞かせてくださいね。
11月13日に『ヨガ哲学講座 2025』の最終回を行い、2~3年の学びの締めくくりとして、参加者みなさまにスピーチを発表して頂きました。
それぞれに、たくさん悩んで、考えて、真摯にスピーチを準備してくださったことが伝わり、胸が熱くなる思いでした。
ヨガ哲学の理論や古典の学びは、時を経て受け継がれた『叡智(Wisdom)』というフィルターに自分を通すことで、そこに引っかかってくる記憶や感情の澱(おり)のようなものがあることに気づくことに、面白さがあるのではないでしょうか。
”記憶や感情の澱(おり)をすくい上げていく作業”は、年を重ねすぎてしまうと困難になる場合がある、と個人的に感じています。
心の淵を覗き込める柔軟性があるうちに、このような機会に身を置くことは、人生後半戦を軽やかに生きていくために、意味のあることだと思います。
今年参加くださった5人のみなさまは、これまで築き上げてきた価値観を一度解体して、再度積み直す、という努力を重ねられて、それぞれに今必要な気づきに辿り着かれたように思います。
私も、みなさまから本当にたくさんのものを受け取りました。
そして、3年間の哲学講座に参加してくださったすべての方に、心より感謝申し上げます。
来年は『YOGA座学会』として、よりカジュアルなヨガ哲学の学びとシェアリングの場を設ける予定です。
仲間と時間・空間を分かち合いながら、古典の言葉に向き合い、思いの棚卸しをしてみたい方は、ぜひご参加ください。
また、1月29日(木)に久しぶりにアーユルヴェーダの講座を行います。
体調を崩しがちな冬~春のご機嫌な過ごし方を、身近なスパイスの活用法を通してお伝えします。
残席が少なくなってきていますので、ご希望の方は早めにご連絡ください。
2025年という、歴史の中で過ぎ去っていくある地点を、身近な人たちとの関わりながら暮らしてきて思ったこと。
それは、『自己中心的である』ことは、時として大切なのではないか、ということ。
だって、実際、世界は自分を中心に回っていませんか???
「よいものはみんなで分かち合あっていこうね!」の精神があれば、自分センターで生きたっていい。
それは、とても清々しい。
あまりにも、周りに心を砕きすぎると、自分まで砕き割ってしまう。
12月、これまでがんばった自分をねぎらって、健やかな方法で甘やかしてあげてくださいね。
胃が消化できる程度に、心と体がが喜ぶものを召し上がって下さい。
眠い時は満足するまで眠って、お天気の良い日は外に出て、大空とつながってみてください。
心が沈むときは、小さなろうそく灯して、その光を瞳の中に映してくださいね。
暗闇の中でこそ、灯火(命)は明るく輝きます。
今年もつたないブログを読んで下さり、本当にありがとうございました。
読んで下さるみなさまのお気持ちを、いつも嬉しく受け取っています。
たくさんの祝福が、みなさまと共にありますように。
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